重ねた手の平には差がありすぎて、引き留める力もないよ。   子どもの定義  ぎゅうって、握ったら  「いてぇ」  と言って笑った。  ウソツキ。  今ので本当の力一杯なんだ。知ってるだろう?  ほら、おれはまだ小さすぎて  存在さえも不確かで、  ねぇ、おれが見える?  おれの声、聞こえてる?  アンタはおれがここにいることを知っている?  「今日は随分と御機嫌斜めだな」  「・・・だって、」  ぐるぐるぐるぐる  「・・・だって、」  おれの中で何かがまわっているんだよ。  「だってシャンクスが・・・」  「俺がなんだよ」  知らないよ。  アンタ誰だよ。  どうしてここに来たんだよ。  どうしておれに会ったんだよ。  どうしておれを、  助けたりしたんだよ。  「ウソツキだから」  「・・・は?」  「痛いって、言えばいいじゃん。 もう、俺の顔なんか見たくないだろ。 だから、行っちゃうんだろ。   遠い、俺が知らない場所。 俺のこと嫌いになったんでしょ」  ボロボロボロボロ  なんで出てくんだよ、ナミダ。  子供あつかいされたくないのに、  早く追いつきたいのに、  ケガしても、シャンクスは泣かなかったのに。  「あのなぁ・・・」  あきれたようなシャンクスの声。  ほら、やっぱりおれの思ったとおりじゃん。  おれを助けたことコウカイしてるんだ。  ぎゅうって手の平がにぎられる。  痛くないけど、いつもより強く。  「俺は、嫌いなヤツ助けたりしない。    それに、」  シャンクスがかがんでおれの目の前につながった手を持ち上げた。  「お前はこの手に、俺の愛を感じねぇのかよ」    自分の左手にシャンクスの右手。    「ひっく・・・アイって、なんだよ?」  「おっと、そりゃ失礼。お子様には早かったか」  「子供扱い・・・っするなよ!!!」  愛ってなんだよ。  ずっと側にいるのが愛じゃないのかよ。  この手の平がシャンクスを捕まえられるようになった頃には、  さっきの言葉の本当の意味が解るのだろうか。  つながった手の平にぎゅっと力を込めた。  「いてぇよ」  end.