029-武士の情け ゾロはなんだかんだ言って面倒見がいい。 特にチョッパーに対しては。 サンジ君もチョッパーへの対応は他の男性クルーへのそれと比べれば格段に優しいが、 それはどっちかというと子供を甘やかす感覚だ。 しかしゾロのは、“可愛がる”というより、“守る”という感じだ。 ここには大きな差がある。 少なくともゾロは、チョッパーのことを対等に見ているのだ。 これは私の勝手な見解だが、 ゾロは、チョッパーを助けることで多くの人を助けようとしているのかもしれない。 自分が殺めてきた人と同じくらいの多くの人を。 ただそれは後悔ではない。 彼なりの謝罪だ。 昼下がりの甲板に、ゾロの大きな体が横たわっている。 その逞しい胸の上に、チョッパーが寄りかかって寝息を立てていた。 キッチンから出てきたサンジ君がそれを見とがめて、 男部屋からチョッパーの毛布を持ってくる。 そんなのどかな光景を見ながら、ゴーイングメリー号は今日も平和だと、航海日誌を締めくくった。 end.